開発したシステムに不具合が発生した場合、信頼を損なうだけでなく、それによって日本全国のシステムが麻痺してしまう恐れがあります。そのため金融系システムで一番に求められるのは品質です。2011年に大手銀行で起こったシステムトラブルによって連休中にATMが使えなくなった事例がわかりやすいです。
ほんの僅かな不具合でも表面化したときにその被害が全国に及び、首脳陣がマスコミの前で謝罪する事になりかねません。とにかく品質が第一という心構えがシステムエンジニアには必須となります。
そのためにシステムの細部までテストを行ったり、システム回収をする場合でもそれによって全体に悪影響が出ないように細心の注意を払って検証を行うなど開発への丁寧さと粘り強さが要求されます。
金融の中でも特に勘定系のシステムは、税金の仕組みを理解した上でシステムを作る必要があります。要件定義など、上流工程では税金に関する幅広い知識を身につけておかないとうまく要件をまとめられないためです。そうした業界の知識だけでなく、開発したシステムが反社会的勢力への融資防止やマネーロンダリングに利用されないように対策もしなければならないため、業務知識だけでなく法律についても意識して学び続けることになります。
さらに税金や金融はNISAの導入など毎年法律が変わるため、変わってしまった法律を受け入れてすぐにシステムを開発、修正していく柔軟さもシステムエンジニアには求められます。